印刷
紙の繊維方向
2008.11.25
紙はパルプ繊維の絡み合いで出来ています。なので、紙には繊維の方向があります。

繊維が用紙の長手方向に垂直に走っているのが『縦目』、長手方向に直角に走っているのが『横目』です。繊維は垂直方向には曲りにくく、水平方向には曲りやすい為、紙の性質も同様です。

名刺などで校正を手にした時に、『想定していたより紙が薄いな』と感じる事があります。厚さを計るには手にした時の感覚を頼りにすることがほとんどですが、『厚さ』ではなく『ハリ』を"感じて"、薄く感じているケースが間々あります。

名刺を紙の『縦目』『横目』に対して、どの方向に名刺を面付けしたかによって『ハリ』が違ってきます。繊維に垂直方向には曲りにくく『ハリ』があります。逆に、水平方向には曲りやすいため『薄く』感じます。

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紙が薄いな、と感じた場合は、"紙の目(繊維の方向)"に対しての面付けの方向も疑ってみましょう。

グラビティワークス 浅賀
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ベタ面印刷
2008.10.22
1色を紙全面にベタっと印刷する"ベタ面"印刷。色紙を使わずして指定した色を全面に使用できる訳ですから、手っ取り早く大胆にイメージの変化をもたらす事が可能です。もちろん、裏面は汎用的な印刷が可能。といって、不用意に使用すると思わぬトラブルが発生するので、ベタ面印刷にはいくつか注意点があります。


<ベタ面印刷で気を付けたい点>

■断裁面に注意
表面はインクが乗っていますが、断裁面は紙の色が出ます。いくらスミベタで印刷したとしても、白い紙であれば断裁面は白。イメージに大きく影響する場合もあるので注意。

■反り返りに注意
ベタ面印刷した面のインクが乾く事で、紙に反りが生まれます。一旦湿った紙が乾く事で収縮率の違いが生まれ、反り返ると思われます。

テクスチャが強い(要はボコボコ、ザラザラしている)紙は、微妙な凹部分にインクが溜まり、それが乾く事で余計反りにつながります。

紙選び、インクの盛りには注意。

■裏移り
裏映りは、印刷物を重ねた際に、印刷面に触れた面にインクが移ってしまうことです。とかくインク量が多いベタ面印刷ですから、乾くのも比較的遅く、裏移りの危険性と隣り合わせです。インクを乾かすために時間(納期)は余裕を持って。

※実際にテクスチャーが強めのベタ面印刷で、反り、裏移りが発生した案件有りなため、不幸にも条件が合ってしまうと、かなりの確率で起こると思われます。

グラビティワークス 浅賀
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4色掛け合わせ(プロセスカラー)印刷での色の誤差
2008.10.09
印刷会社の関係の方とお話をしました。

そこであがった、4色掛け合わせ(プロセスカラー)印刷で起こってしまう色の誤差について話をしました。4色、つまり、CMYKで印刷データを作成して印刷すると、C、M、Y、Kそれぞれ割り当てた量の微妙な差によって、カラーチャートや狙っていた色と相違した色で出力されるケースがあります。

・2回目の印刷に1回目と同じデータを使用したのに、1回目と違う色に出力
・同じ数値で色を指定しているのに、アとイ、それぞれの印刷物で色が違う

これは、CMYKを掛け合わせて色を作っているので、印刷機の具合や環境で、それぞれのインクの量に微量の差があります。その微量の差が乾いた時に見え方の誤差になるものです。プロセスカラー印刷で実際に起こってしまう現象(リスク)として覚えておいた方がいいでしょう。

"紺"が最も上記の現象が起こりいやすい色だそうです。これは初耳。プロセスカラー印刷の"紺"は、複数の印刷チャンスにおいて同じデータでをも同じ色に出力するのは極めて困難だと言ってました。

これを避けるためには下記の方法などが考えれられます。

・本紙本機(本番で使う紙で本番で使う印刷機)で色校正を行って、色見本を元に印刷現場で色を合わせてもらう。
・特色を使用する。

リスクを理解して(もちろんお客さんにも理解いただいて)制作物の種類と予算によって、手法を考えましょう。


グラビティワークス 浅賀
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